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マイナンバーでお役所手続きは楽になったか?

2017.11.13 カテゴリ: 社会問題

今年11月から行政手続で書類提出が不要になるマイナンバー制度の「情報連携」がそろりと始まりました。昨年の大騒ぎからするとほとんど誰も知らないひっそりとしたスタートです。その理由の一つとしてはすべての手続のうち生活保護や児童扶養手当の申請など一部であることがその要因だと思われます。本人確認が全て一枚で出来るというふれこみのマイナンバーカードも普及率がいまだに10%未満ですし、一番の目玉である税務関係書類も罰則がないため、税理士の間でもマイナンバーをあえて記載しない方もいるくらいです。

そもそもお役所手続きの面倒さの根本原因は部署間の縦割り問題の深さに由来していると思います。自分が住んでいる市役所、区役所の手続きでも住民票を添付を求められたり、民間の感覚だとそのようなものは部署間で融通してほしいと思うことなどよくあります。あるお役所関係の仕事を個人事業として請負った際、マイナンバー提出を要求されました。これ自体は問題ないのですが、同じ役所の他部署で仕事を受けた際またマイナンバーを要求されました。当然私は既に提出している旨伝えたのですが、その際の担当者の返答に仰天しました。「マイナンバーは課ごとに管理しているので違う課の仕事を受注した際は別途提出が必要です」でした。そもそもマイナンバ―管理は組織的に安全管理者を置かねばならず、その担当者以外はマイナンバーを取り扱ってはいけないはずです。そんな課ごとに紙で管理しているとなれば物理的安全管理など非常に心配ですし、情報漏えいリスクも非常に高くなります。この件についてはお断りしたところ不要という結論に落ち着きましたが非常に不可解でした。要するにきわめて部署がタコツボ的でそもそも風通しが悪いため、相当上層部がリーダーシップを発揮しないとお役所手続は変わらず、マイナポータルはすたれていってしまうと思います。

お役所の中もそうですが地方自治体どうしも、同じ書類でも自治体によって様式や大きさが違うので不便で仕方がありません。例えば償却資産税の書類などA4やB4、縦、横など色々な様式が入り乱れてファイルするのも大変です。こんなところで独自性を出されても困ってしまいますし、同じ業務でそれぞれ違うシステムを使っているというのも壮大な無駄です。このあたりは変な事業仕分けよりもずっと大事だと思います。

マイナンバーで国民を共通番号で管理するならばこの機に是非国や地方公共団体も手続きや仕組みを共通してほしいと思います。

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