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すごく不思議に感じる年金支給ミス

2018.03.26 カテゴリ: 企業経営での留意点, 経営戦略

 日本年金機構が外部委託していたデータ入力で約95万2000人分にミスがあり、うち入力漏れの約8万4000人分で過少支給が判明しました。さらに約31万8000人分の一部で支給額に誤りがある見通しのようです。

 読売新聞では「機構が所得控除などに関するデータ入力を委託した情報処理会社「SAY企画」(東京都豊島区)は、2人1組で手入力するという本来の入力方法ではなく、スキャナーを使って紙のデータを読み取っていた。機械が誤認識した漢字などが残り、配偶者の所得区分を示す丸印も誤って認識され、過少支給などにつながった。」と伝えています。ここでは日本年金機構のずさんなチェック体制が非難されています。

 私は日本年金機構の仕事は受託したことはありませんが、公的機関のお仕事はいくつか受託したことがあります。その印象としてはやたらと受託にあたって膨大な書類の提出を求められるということがあります。あくまでも私の感想ですが類似の情報を何回も違う書類に書かされ、あまり内容は濃くないのだが提出書類はやたらと分厚くなるといったものです。おそらくずさんなチェック体制を改善するというと、こういったやたらと書類の量を多くするといった方向に行くのではないかと思っています。

 そもそも根本的な原因は2つと思ってます。一つとして「所得控除などに関するデータ入力を・・・2人一組で手入力」というところです。そもそも膨大な数を今どき手入力という発想が信じられません。以前から国税庁と機構の業務統合が検討されていますが、少なくとも双方向でデータのやりとりができればこのような手入力の作業などは一切不要なはずです。データのやり取りでしたらミスの可能性はかなり下がります

 2つ目としては内部統制といった考え方がそもそもこの組織にはないことでしょう。内部統制は非常にざっくり申しあげると「業務の有効性と効率性」「財務報告の信用性」「法令遵守」「資産の保全」を達成するためのリスク管理です。今までの機構の不祥事を見ていると業務についてのリスク評価がきちんと行われているとは思えません。その根本原因としては「統制環境」こういった内部統制に対する経営者と従業員の意識に問題がある場合が多いです。トップは民間の方ですが常勤理事は厚労省の天下りと年金機構のプロパー(=元お役人)で固めていますから意識を変えるというのはかなり難しいと思います。このあたり最低半分くらい入れ替えないとこの組織を変えるのは難しいでしょう。

 厚労省として本気で改革する気がこの機構の役員構成を見ても感じないというのが正直なところです。社会福祉法人や医療法人に監査入れるんだったら機構に入れたほうがいいのではないか(会計検査院の検査に加えて)と思いますが・・・。

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