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最近読んで一番凹んだ本の話

2018.09.24 カテゴリ: 企業経営での留意点働き方・仕事術勉強術・仕事術・心がけ経営理念

1.知的真空時代の50代、60代

 9月は三連休が2回あります。正直、ほぼ自営業に近い会社経営者である自分にとってはあまり祝日は関係ないのですが、なんとなく世の中もスローになりお客様からの問い合わせもすくないので読書とかに充てる時間も少し長くなります。まず読んだのは山口周さんの「劣化するオッサン社会の処方箋」でその後「世界のエリートはなぜ美意識を鍛えるのか」をつられて読みました。後者はベルトセラー本で書店でも見たことがあるのですが、いわゆるノウハウ本だろうと思って以前はスルーしていました。これは大きな誤解でしたね。

 私の世代(50代、60代)は「教養世代」と「実学世代」に挟まれた「知的真空時代」のようです。確かに昔の社長さんは哲学、文学、歴史など幅広く勉強された方が比較的多かったと思いますし、今の優秀といわれる若い子たちはよく勉強しているといわれます。一方私も大学時代などはバブルにうかれてさっぱり勉強しなかったのは確かです。

2.自分は劣化したオッサンか?

 劣化したオッサンは「会社や社会が示すシステムにのっかってさえいれば豊かな生活が送れる」、言い換えると会社や役所にぶら下がっていれば何とか幸せに暮らせると思っていた人たちです。確かに、私(54歳)の大学の同窓会などを行うと、大抵大企業勤務で転職などはしてません。そういった意味で20代で最初の勤務先を辞めて転職して、今自営でやっている私などは彼らに比べると波乱万丈の人生かもしれません。

 ただ、会計、経営学や語学など自分としての学びは実学に偏っており、自分のコンサルティングのアプローチとしても「サイエンス」にかなり偏っているといえます。そういった意味で「知的真空時代」に生きてきたけどなんとか「実学世代」の波に乗っただけにすぎません。確かに「劣化したオッサン」ではないかもしれませんが、たいしたものではないと凹んでいます。

3.コンプライアンスよりも美意識

 以前日本では土光会長のめざしに代表されるような清貧がもてはやされ、金もうけが卑しい行為のような風潮がありました。逆に今はかなり(なんとなく妬みは感じつつ)成功者で大金持ちになった人を賞賛するような方向になっています。特に企業活動においては「稼ぐが勝ち」とまでは思いませんが、「稼がないと負け」とは思います。しかし、「美意識」がなく、法律に違反していなければ、コンプライアンス違反としてばれて社会的に糾弾されなければ、どんな手段を使っても稼いだ方が勝ちというような風潮があるのは憂鬱に感じます。筆者はDeNAのコンプガチャやキューレーションサイトの問題や大企業での粉飾決算、不正検査などを挙げていますが、美意識を欠いた経営者がこれを招いていると主張しています。

4.美意識を持つためには

 本来若いころからアート(文学、哲学、歴史、美術、音楽)などに触れていないといけないのでしょう。そういった意味ではひたすら若いころは実学にばかり没頭していた私などはいまさら取り返しはつきません。これも凹むことです。今の教養書(?)ブームはそのあたりの反省している人たち向けの本かもしれません。ただ、雑学や豆知識を仕入れる的な読み方であるとほとんど意味がないわけで、そのたぐいの本にはやや懐疑的です。

 そう言った意味で古典というのはえりすぐられて残っているものですから、何か次の休暇の際には少し古典に触れてみたいと思った次第です。

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