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不正調査とは -厚労省不正調査の問題点

2019.02.04 カテゴリ: 会計・税務, 会計不正, 社会問題


 

     

    1.不正調査の問題点の概観

 

 厚生労働省の統計不正問題で特別監察委員会が調査結果を発表して幹部の処分が行われましたが、全く批判が収まる気配がなく国会等をにぎわしています。批判の骨子としては1)もともとこの特別監察委員会のメンバーの大部分は厚労省と関係が深く第三者性が疑われる2)報告書の文章のたたき台は厚労省の役人が作ったものであること、3)厚労省の関係者聴取を実際にこの委員がしていないケースがあり、厚労省の役人が行っており加えて委員会のメンバーの聴取にも厚労省上級幹部が同席してきたことなどでしょう。

 

     

    2.特別監察委員会のメンバーについて

 

 1)のメンバー構成をみると樋口美雄委員長自体が厚労省所轄の独立法人の労働政策研修機構の理事長であり、ご本人はもしかすると客観性と社会的使命をもってこの特別監察を行われているかもしれませんが、外部から見ると「子会社の社長が親会社の不正を監査している」ようにしか見えません。その他の方々も厚労省の常設監査チームのメンバーの方々のようでこれも「会計不正が発覚した時にその監査を担当している監査法人に不正調査を依頼する」ようなものにしか見えません。

 またゴーン氏の検察の聴取に弁護士の同席を許さないのに、厚労省の職員の聴取に幹部職員を立ち会わせて何とも思わないのは弁護士や裁判官経験者など法曹関係者が何人もいらっしゃるのに非常に不思議な対応です。

 この統計不正自体は全く根本厚労大臣には責任ないと言えますが、このずさんな報告をしてしまって幕引きをしようとした責任は大きいと思います。

 

     

    3.不正調査とは

 

 そもそも不正の調査では当然この委員会の方々のように高度な専門的能力を持っている(と推定される)方々の関与は必要だとは思いますが、それだけでは足りません。私も仕事で企業の不正の調査の経験はありますが、大企業の不正でしたら数人などでは全然できません。不正調査は地道な資料の洗い出しやチェックなどのコンサル業界でよく言う「力仕事」が必要です。委員会の委員の方々は経験年数30年超のベテランの方々ばかりですからいわゆる軍隊の司令官レベルです。いい方は悪いかもしれませんが、「兵隊」や「将校」レベルがいなければどうにもならないわけです。そういったいわば手足が全くない状態なので厚労省の役人が代わってインタビューしたりした作業をしたりするのは作業効率的には十分理解できます。全員のインタビューを委員がやっていないと非難されていますが、厚労省側の人間という客観性を担保できない人間を使ってしまったことが問題であってこの方々が全員を直接インタビューする必要はどう考えてもないと思います。

 

     

    4.特別監察委員会はどうやって不正調査すべき

 

 メンバー自体はあまりにも「第三者性」がないですから全員交代はやむをえないでしょう。厚労省ではなく統計を管轄する総務省などが選定すれば良いのではないでしょうか。統計に詳しいブレインもたくさんいそうですし。一方調査自体はコンサル会社等に依頼して力仕事自体はやってもらうべきでしょう。委員はコンサル会社等をうまく指示して資料集めやまとめをやってもらうこと、集めたデータをもとに審議をしてきちんとした結論を出すことが役目でしょう。このあたり混同してやたら安倍内閣や厚労大臣を責めている野党やマスコミも随分ピントが外れていると思うわけです。

 

 

 

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