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平成生まれの企業はなぜ育たないか?

2019.04.01 カテゴリ: 社会問題


 

 

     

    1.さくら祭りの奉仕

 

 私は約15年ボーイスカウトの指導者をやっています。きっかけは娘がボーイスカウトに入隊したことです。その活動の中で地域活動に奉仕するということがありますが、その一つとして私の地元練馬区大泉で開催されるさくら祭りポイントラリーのお手伝いがあります。このポイントラリーは大泉学園通りの桜並木およそ約3㎞に4つのポイントがありそこでスタンプを押すと缶バッジがもらえるというものです。私の担当は小学校高学年のカブスカウトなのでスカウトたちにスタンプを押してもらいます。

 私が始めたころは純粋に「子供のイベント」で参加は子供だけでした。しかし、一緒に子供と回っている親も欲しいという話があったのか大人も対象になりました。約15年がたって、昨日さくら祭りのポイントを子供たちと担当して感じたことはこのポイントラリーが子供たちのイベントではなく、「敬老イベント」になりつつあるということです。今年はポイントラリーの参加者のおおむね半分くらいが高齢者になりました。お年寄りが嬉々としてスタンプをもらっていおり、少子高齢化を肌で感じます。

 始まったころはこのお祭りも地元の若手経営者が中心でしたが、その方たちもお年を召されだんだんお祭りに元気がなくなってきた気がします。世代交代が必要とは思うのですが。

 

     

    2.企業の世代交代

 

 さて同様に企業の世界で世代交代はどうなっているのだろうかと思い今年の3月29日現在の株価時価総額上位50社を見てみました。取り急ぎ上位10社あげてみると、トヨタ自動車、ソフトバンクG、NTT、キーエンス、NTTドコモ、三菱UFJ、アフラック、武田薬品の順番でした。合併や企業再編で新しく設立した会社を除く純粋な設立で平成生まれの会社は実は1社もありません。この中で新しそうな企業はソフトバンクG(1981年)、NTTキーエンス(1974年)であり、NTTドコモは1991年設立ですがご存知の通りNTTの子会社で純粋に創業したとは言い難いところもあり、残念ながら平成生まれの企業は1社もないといえるでしょう。

 どこまで行くと平成生まれの企業があるかと調べると90位の楽天でようやく1997年(平成10年)設立でした。ただし、楽天というとIT業界ではもはや老舗の域であり、やはり企業の世界も世代交代が進んでいないことがあるかと思います。

 

     

    3.私的体験からの世代交代が進まないわけ

 

 アメリカや中国、他の東南アジア諸国と比べ日本では新しい企業が生まれにくい原因はきちんとした実証結果によってさまざまな方が分析されています。このブログではそのような高度な分析ではなく私の私的な体験から感じたことを書いていきたいと思います。

 米系の会社で以前働いて思ったことですが、新しい上司がくると、とにかく最初は疲れます。なぜならばとにかくあれこれと新しいことを始めようとするからです。少しずつ日本企業でも死語にはなりつつありますが「大過なく職務を全うする」というのは、米系企業ではほぼ「無能」と同意語になるからだと思われます。したがって何か目に見える実績を残そうと新しいことをあれこれ始めるわけです。

 その新しいことを始めるの一つに取引先を見直すというのもよくあることです。日本企業だと取引先は無難に前例踏襲でそのまま引き継ぐ、変更するとしても大手企業から多少自社の予算を勘案しながらという感じです。米系企業の場合、当然前例踏襲もないわけではありませんし、大手企業から声をかけるこというケースもありますが、わりとそのあたり発注者も「自分の色」を出そうとします。

 日本企業ですと私が一部上場クラスからお仕事をいただく際はたいてい大手コンサル会社からのご紹介で、予算面で折り合わないケースがほとんどです。加えて間に大手コンサル会社が入ると当然コストとしては高くなりますが、それを望まれるケースが多いです。あくまでも仮説ですが、日本企業の場合、大手コンサル会社に依頼してその結果がうまくいかなくてもある程度「仕方ない」というレベルで済むこともありますが、私の会社のようにさほど世間一般に有名でない会社に依頼して失敗するとかなりの確率で責任を厳しく追及されるということがあるのではないかと思っています。

 一方米国企業などは私の英語サイトを見て、かなりの上級管理職の方から直接メールが来たりします。わりとコストとベネフィットをシビアにみて「無難な選択」などはしない担当者というのは日本企業よりかなり多いと思われます。要するに土壌として厳しい加点主義なので大企業であっても無難な選択ではなく実際に効果のある選択を常に迫られるので新しい仕組みを持った小さな企業が選択肢に上る可能性は米国や中国、東南アジアなどでは日本に比べはるかに高い気がします。

 ベンチャーが育つことに当然立ち上げる起業家支援というのも大切なのですが、実は日本の一般的大企業の仕組み、体質が変わらなければベンチャ―企業も大きくは育たないのではと思われます。実はユニコーン(時価総額1000億超の未上場ベンチャー)が生まれるためには大企業の仕組み・体質の変革が生態系の一つとして大切ではないかと思うわけです。

 

 

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