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現場で使える決算書思考

著 者川井 隆史
出版日2020/6/18
出版社明日香出版
ページ数240ページ
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企業の本質を見抜く力を身につけろ! !

突然ですが、皆さんは「決算書」、使いこなしていますか。

たとえば、取引先や投資先、あるいは同業他社、そして自社のことをもっと知りたいと思った時に、真っ先に決算書を見るようにしているでしょうか。

決算書は、その会社の経営成績そのものです。

どんなことをやってきたのか、つまびらかにわかってしまうものだからです。

でも肝心の、どこを、どのように読んだらそれが読み解けるのか、なかなかわからないのも事実でしょう。

ところで、一般に「決算書」を解説する本は、知識として「学ぶ」ためのものばかりで、「現場で使う」ための指南書が少ないことに気づきます。

そこで本書は、経理職などの専門職ではない方を対象に、決算書のどこを、どのように読み解いたら「使える」ようになるのか、その勘所をまとめた一冊になります。

財務諸表の読解力こそが、最強のマネジメントスキルだ

とはいえ、決算書には、読む人の立場や目線によって、それぞれに違った勘所があります。

そこで本書では、銀行の立場・目線で見た場合の決算書の勘所、経営者のそれ、そして投資家のそれと、3つに分けて解説しています。

具体的には、銀行の目線ではその企業の「安定性」を評価し、経営者目線では「収益性・成長性」を、そして投資家目線では「資本効率性」を見る力をレクチャーします。

このような三者三様の「目線」は、総合すると(広義の)経営者に必要な『決算書思考力』になります。つまりあなたは本書を読むことで、経営者目線を手にすることができる、と言えるわけです。

知識は限定し、事例を豊富に

本書の特長は、必要なことに限定した知識を提供すること、そして、事例が豊富なことにあります。

第一に、専門職ではない読者の皆さんには、事細かな知識は不要です。したがって、必要と思われる知識に絞った説明を試みています。

第二に、実際例を豊富に取り上げ、「どのように読み解いたらいいのか」を丁寧に説明しました。私たちは、理屈で理解しただけでは、なかなかイメージがわかないものです。だからこそ、「この会社の、ここの部分が、このように評価できる」といった読み方を提示することに努めました。

決算書に裏付けされたあなたの言葉は、格段に説得力を増し、リーダーシップ力の向上に直結するでしょう。 ぜひ本書で、企業の戦略・戦術・異常をいち早く察知する決算書思考=最強のマネジメントスキルを身につけてください!

出版社からのコメント

(「はじめに」より一部抜粋) 財務諸表には数多くの勘定科目があります。それらをすべて理解するには、経理及びそれに関連する部門でないと難しいのが実際のところです。

また、さまざまな経営分析の指標がありますが、数が多く、計算式なども書物によって微妙に違っているため、非常に混乱するところです。

この本では2019年6月に出版した前著『現場で使える 会計知識』の方針は踏襲し、類書に必ず書かれているような財務・会計における重要な論点でも、現場であまり遭遇しない部分については思い切って省略しました。

また、いろいろな経営指標の定義の部分については必要最低限にして、《経営の観点における財務諸表の意味と使い方》に絞った丁寧な解説を心がけています。

つまり本書は、現場の方々が様々な財務諸表上の数値や経営分析の手法を使い、上層部や部下、取引先に説明できるようなシーンに力点をおいて書かれているのです。

「決算書思考」を構成する3つの目線

実はグローバル一流企業の経営幹部クラスであっても、財務諸表の複雑な数値や分析の理解は表面的であることが多いものです。

こうした理解度の相手に説得的な説明をするために大切なのは、直観的に、ストレートに、わかりやすく説明することです。

では説明には、どんな知識が必要なのでしょうか。ここで最も大切になるのが、本書のタイトルにも付けた《決算書思考》です。

もともと財務諸表には、経営者、銀行、投資家の「3つの眼」が注がれます。この三者はそれぞれに見ている観点が違いますが、その違いを踏まえられるようになると、非常に実用性の高いスキルになります。このスキルを本書では決算書思考と名付けました。

決算書思考は具体的に、安定性を見極める「銀行・格付会社目線」、収益性と成長性を見極める「経営者目線」、資本効率性を見極める「投資家目線」の3つの目線に分けることができます。この3つの目線をバランスよく身につける思考法こそが決算書思考というわけです。

こうした思考法が身につくとどのような利点があるのでしょうか。 それはたとえば、決算書上から透ける会社の方針や戦略が理解できるようになる、「バランスが崩れているのでは」「行き当たりばったりになっているのでは」といった不幸な事態を前もって察知でるようになる、あるいは市場から魅力をもって見られる会社になっているかがわかるようになる、といったことが挙げられるでしょう。

この決算書思考における3つの目線は、すなわち、経営者が持つべき目線そのものとも言えます。つまり本書を読むことで、あなたは広義の「経営者の目線」を獲得することができるようになる、と言い換えることができるのです。

内容(「BOOK」データベースより)

企業の本質を見抜く力をつけろ!!事例でわかる、企業の安全性、収益性・成長性、キャッシュを稼ぐ力、資本効率、有価証券報告書。戦略・戦術・異常をいち早く察知する“財務諸表”の読解法。

著者について

㈱ハンズオン・CFO・パートナーズ代表取締役社長
1964年大阪府生まれ。慶應義塾大学経済学部卒、テンプル大学経営大学院修了(MBA)。公認会計士、税理士。
大学卒業後、国民金融公庫(現日本政策金融公庫)を経て、アーサー・アンダーセン(現あずさ監査法人)、日本コカ・コーラ、GEの外資系企業3社に勤務。財務・経営企画担当ディレクター、米国本社経営企画担当マネジャーなどを歴任した。
その後日系ベンチャー企業(上場、非上場含む)でCFO(最高財務責任者)や米系大手コンサルティング会社で経営コンサルタントとして活躍後、独立開業。ベンチャー・外資系企業の事業計画、PMI(買収後統合計画)、会計・税務のコンサルティング業務、講演・セミナーなどを手がけている。
著書に『現場で使える 会計知識』『部長の仕事術』(以上、明日香出版社)、『外資系エリートが実践する「すぐ成長する」仕事術』(日本実業出版社)がある。

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