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若手社員が管理職になりたくない理由

2022.11.09

目次

1.管理職になりたくない若手

結構、衝撃的な記事を最近見ました。「日経トップリーダー」が中小企業に勤務している役職についていない正社員20代、30代に200人に「管理職になりたいか」とアンケートした記事です。私の感覚では、半分くらいはなりたい人いるかな?と思っていましたがなんと83%が管理職になりたくないという回答でした。

 男女別でみると女性(90.4%)男性(74.7%)で女性の方が高いですが男性も、決して低いわけではないです。年代別は20代(82.0%)、30代(84.0%)とあまり開きはなく、要するにこのアンケートを見る限り、若手社員は管理職になりたくないように見えます。一番多い理由は「管理職になってもいいことが何もない」です。ただ、「自分は能力的に無理」や「どんな条件がそろってもとにかく管理職にはなりたくない」という若手も多く見られました。

 「自分には能力的に無理」と感じる理由として米国の心理学者レオン・フェスティンガーの「認知的不協和理論」が取り上げられておりそれが興味深かったです。現在の20代、30代は競争にさらされる機会が少ないです。一方で自己認知で実は「自分は能力がある」と思っている一方、だが世間の評価は「能力はそれほどではない」かもしれません。

 要するに自己認知と世間の認知にぞれがあるかもしれない時、それを防ぐのはそれを確かめない、要するに挑戦しない、一つの側面として管理職にならないということなるわけです。要するに最近の若者気質の問題なのでしょうか?もう一つの一番多い理由、「管理職になってもいいことが何もない」を考えていきます。

2.管理職になっても何もいいことがない

 現代の管理職、特に中小企業の場合、人の管理が面倒なのに報酬が上がらないことが多いようです。
報酬については残業代が出ない分マイナスになることもあり、要するに仕事量が増えるのに、それに応じた報酬増はないのです。いわゆるプレイングマネジャーなどという言葉が出てくるころから管理職は大変なだけの仕事になってきました。要するにプレイヤーとしての働きを求められつつ、管理も行います。昔はアシスタント的な女性がついて雑務をしてくれていましたが経費節減でそれもなくなり雑務もやらねばなりません。加えて、以前は上司→部下の一方通行であったコミュニケーションも最近はOne in Oneのようにきめ細かく拾い上げられなければならないです。

 ということで管理職の仕事量はおそらく昔に比べ激増しました。そして、社長や役員などからの業績達成のプレッシャーは一般社員とは比べ物にならないほどきつく、その割にたいして権限はなく部下からの突き上げもあります。

 一方で一般的な中小企業だとその他の人事制度は旧態依然でほぼ年功給、管理職などにならず年を重ねていった方が仕事も楽だし、残業代も加えると給料もそちらの方が高いかもしれません。確かに、こんな状況であればなりたいという人がいる方が不思議かもしれないと思い始めました

ではどうすれば良いのでしょうか

3.管理職とリーダー

 そもそも管理職になりたくない人がいるのは制度上の問題でしょうか?チョコチョコと報酬制度などをいじっても効果は限定的だと思われます。私はなぜならば実はそれ自体は根本的な問題ではないからです。

 実はリーダーがいないことの方が問題かもしれません。究極のリーダーは社長、特に中小企業においては社長のリーダーシップは大きいです。リーダーとしての社長は明確なビジョンを定め、皆をその方向に動機づけ権限を付与していくことです。管理職はその明確なビジョンの下、経営資源(ヒト、モノ、カネ)を適切に配分し実行していく役割となります

 「管理職になって何もいいことがない」は当然報酬体系もありますが、実は、社長のリーダーシップの欠如が根本的な原因があるのではないでしょうか?要するにビジョンも方向性もなく、何の動機付けもしっかりとした権限もないまま、経営資源を配分して業務を遂行しろと丸投げ、これは単なる辛い仕事です。

 要するに社長がリーダーシップをもって明確なビジョンや方針を持ち適切に権限を与えて、動機付けすればむしろ管理職はなりたいという若手は増えるはずです。なぜならばそれだけ面白い仕事ができるわけですから?

 まずは特に中小企業の場合、若手が管理職になりたくないは、社長のリーダーシップに問題がある
ことが根本的な問題でまずそれを解決しないと何も変わらない気がします。

 

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