東南アジア訪問で感じるウィズコロナ
2022.08.29 カテゴリ: 社会問題。
目次
1.水際対策とは
日本の水際対策ですが、2021年11月にWHOがオミクロン株を懸念される変異株と発表、外国人の新規入国を原則禁止しました。その後外国人入国者を2月に5000人、4月に1万人、6月に1万人と徐々に緩和し、6月からは外国人観光客も添乗員付きに限って入国を認めることとなりました。
この水際対策、日本に入国したい外国人だけでなく、海外出張などをする我々日本のビジネスマンも大変です。3月までは入国した際は7日間の隔離が要求されていたので海外出張は実質無理でした。4月からは隔離はようやくなくなったので海外出張に出かけられるようになりましたが・・・。
5月に東南アジアに出張した際の帰国時は、現地でPCR検査をして陰性証明を入手したうえさらに空港でPCR検査をするという苦行でした。私はマレーシアからの約7時間近いフライトで帰国後検疫チェックとPCR検査待ちで4時間近く空港で立ち往生、本当にしんどかったです。ようやくこの空港PCRも6月からなくなり、9月に入ってようやく陰性証明も不要になるようですがとにかく遅いです。
そもそも、数日間の滞在中に海外でPCR検査できる医療機関を探して行ってくるのも大変でした。また、帰国にあたりMY SOSというアプリにいろいろな情報を入れないといけませんがこれもいわゆるクソアプリです。諸外国で運用されているコロナ対策アプリに比べ、日本語で書かれているにも関わらず一番時間がかかりました。MY SOS、厚労省が運営しているのにワクチン接種証明書の情報入力しなければならないのですがそもそもワクチン接種証明書、厚労省が私に発行しているものです。なぜ厚労省のアプリに再入力しないといけないのか意味が分からないです。何のためのマイナポータルなのでしょうか? 諸外国のアプリは写メ受け付けてくれるのですがMY SOSなんと画像はメモリが足りずに入らないという非常に素敵な仕組みです。スマホでPDF変換とかしないといけないというひと手間も必要です。
IT的にも様々な制度的にもかなりイケてない国というのが海外に出てみてよく分かりました
では東南アジア諸国などの日常ははどうなっているのでしょうか
2.東南アジア4か国+インドの訪問の状況
どの国も現在必要なのはワクチンの接種証明だけです。5月まではPCR検査の陰性証明が必要な国もありましたがすべて6月には解除されています。そもそも空港の様子が全然違います。まだ、羽田や成田空港はなんとなく閑散とした雰囲気が伝わってきますが、ほかの国の空港ほぼ平常です。マレーシアなどは写真のようにとにかく空港に人が多くてあふれかえり入国審査に3時間くらいかかりました。
街の飲食店や小売店も人が入っており夜の繁華街などはかなりにぎわっています。ただ、マスクをきちんとしているのは日本人くらいというのはこれは誤りです。どの国もビジネス街の通常時間でマスクをしていない人はほぼ見かけないです。ただ、コロナ感染に関してもさほど神経質になっていないことはいえます。
実は訪問先で面談予定だった顧客に現地法人マネジャーの一人がコロナ感染しました。一応一緒にいた人は抗体検査キットで検査したようですが皆陰性なので平然と出社しています。だいたい、インフルエンザ並みの扱いになっています。そもそも日本のようにいまだに医療用抗体検査キットを薬局で売らないなどという国はどこにもないのでみな気軽に検査して会社に出てきます。いまだに医療用抗体検査キットが薬局で販売開始などと言っている日本は周回遅れといえます。
イベントなども普通にやっています。ジャカルタは毎週日曜日朝6時から10時まで都心の幹線道路で歩行者天国があるのですが早朝から屋台なども出てみなさん大騒ぎです。片側4車線の道路はジョガーが多く東京マラソン並みの人であふれかえっていました。
一方日本の状況、私の自宅の近所で夏休みのラジオ体操がコロナ感染対策で中止になっていたのが対照的です。密なラジオ体操なんてないはずなのに個人的な感想としては行き過ぎな自粛だと思いました。
3.ウィズコロナで進む道は
東南アジアやインドなどのほうが、人々がコロナとともに共存すると意識を持て、警戒はしつつ
経済活動や文化活動をしていこうという意思を感じます。日本と台湾、中国の3か国だけはいまだに厳しい水際対策を続けています。
この3か国確かにある程度コロナという病原菌から国民を守ることには成功したかもしれません。
ただ、その成功体験が経済の復活という面で足かせになっているような気がしてならないです。
コロナが教えてくれたこととして日本の様々な問題点があぶりだされてきました。一つは日本がかなりIT後進国であることがよくわかりました。在宅勤務の遅れやMY SOSやCOCOAなどのクソアプリぶりなどからそれは実感です
医療体制も一部の献身的な医療関係者(本当に頭が下がりますが)を除き、マクロ的に見ればいかにあてにならないかがわかりました。オンライン診察や抗原検査について様々な「医療行為」に対する反対があって実現しません。安全を錦の御旗に自身の私益を守る岩盤の硬さがよくわかります。
そしてだらだらと続ける水際対策など日本の政治、官僚組織の意思決定の遅さ、事なかれ主義にも非常にがっかりしました。
このコロナによって日本はかなりまずい状況だということが実感としてわかりました。自分は何ができるのだろうか、これはいろいろ考えるべき課題ですね。