Extreme Teams
2018.01.08 カテゴリ: 人の育て方、企業経営での留意点。
昨日羽田空港のラウンジで欠航になり、すごすご自宅に戻るまで〝Extreme Teams”(ロバートブルースショー著)を読んでいました。そういった意味で充実した時間を図らずも過ごせたといえるかもしれません。
私は以前いわゆるGEやコカ・コーラなどの多国籍企業で勤務しその中でリーダーシップやチームワークなどのソフトスキルは学んできたつもりです。しかし、いわゆるAGFA(Apple/Google/Facebook/Amazon)的な働き方というのは実際にはよくわかっていません。前者はどちらかというと”Build To Last”(ジムコリンズ著、日本訳だと確かビジョナリ―カンパニー1)的だとするとこの本はAir bnbやNetflixなどを取り上げており新しい観点を取り上げているのではないかと思われました。
結論を言うとわかったことは基本はさほどビジョナリーカンパニーとさほど変わらないことです。企業文化の重視(ハードかつソフトな文化)、人材採用において能力よりも企業文化への適性の重視など極めてビジョナリ―カンパニーに選ばれた企業と類似しています。ただ、大きく違う思ったことは”Extreme”(極端)と称しているようにその徹底度です。この徹底度をみるとかつてGEのCEOジャック・ウェルチが言った「業績下位10%は会社を辞めてもらう」と言ったことは微温的にさえ感じます。Netflixには有名なカルチャ―デッキという会社の考え方を示したものがあります。これはとにかく過激で”adequate performance”(まずまずな業績)の社員やいくら深夜休日一生懸命働いても優れた成果を上げられない社員は去ってもらうとはっきり書かれています。すべての例に共通していますが、スピード感も違い会社の文化に適合しない人間はすぐにでも去ってもらうということです。日本でいうチームワークにありがちなもたれあいは論外といった感じです。
とにかく成果に対する姿勢とチームワークに対する姿勢を巧みにバランスをとりつつ、徹底的に行うという「徹底度」がかなり高いレベルでかつスピード感をもって要求されるようになったというのが実感です。まとめるとビジネスの基本は一緒、ただしスピードと徹底度がけた違いに厳しくなったというところでしょうか。

代表取締役 川井 隆史
慶応義塾大学経済学部卒、テンプル大学MBA(経営学修士)/公認会計士、税理士、ACCA(英国勅任会計士協会)認定IFRS Diploma/JPIA(日本プロフェショナル講師協会認定講師)
アーサーアンダーセンで会計監査、会計コンサルティングを経験後、日本コカ・コーラ、GEの日本法人、米国本社で予算マネジャー、経営管理担当のディレクターなどを歴任。その後上場ベンチャーや外資系日本法人でCFOとして活躍後独立。