セミナー(企業研修)なんて役に立たない?
2018.02.26 カテゴリ: 人の育て方、企業経営での留意点。
経営者側および従業員側から「企業研修なんて役に立たない」という声をお聞きすることがあります。研修を受けてもつまらないか実践するにも面倒なものが多く、たとえ素晴らしい研修やセミナーであっても3日もたてば忘れてしまい何の役にも立っていないというのがその主な言い分です。これは研修講師の質が低いのが問題なのでしょうか?研修講師という方々は当然自分が実践して成功した方式を教えている方もいらっしゃいますがどちらかと言うと多数は他の方が実践した方式を学んで教えている「教え方のプロ」であることは確かです。オーナー経営者には多いのですが、「名選手だけが教えられる」ということで「コンサルタントや研修講師」といったどちらかと言うと教える人に対する評価が低い方がいます。確かに例えば成功した経営者のお話というのは含蓄が深く傾聴に値するとは思うのですが、それを実践するとなるとある程度仕組みがきっちりと分かりやすく組み立てられていることが必要だと思います。要するに「名選手は名監督に非ず」です。優れたコンサルタントや研修講師はきっちりとした仕組み(フレームワーク)を提供しておりそれは本来役に立つものだと思います。
問題なのはむしろ受講側の「受けっぱなし」な部分です。私は以前GEで働いていましたが、その時の仲間とたまに会うことがあります。大抵は経営者か経営チームの一員となっていますがその皆が口をそろえて言っていることがあります。「GEはとにかくやると決めたことは徹底的だった」ということです。GEで「シックスシグマ」と言うツールを取り入れる研修をしたことがあります。「シックスシグマ」とは簡単に言うと統計的手法を使った改善ツールです。ただ、この考え方の背景にはファシリテーションやコーチングといったツールも含まれています。このトレーニングは管理職は全世界で必須です。しかも確か全部で8日間くらい全日研修をします。そして研修を修了するためにはきちんと自分で実践して認定をもらわなけらばなりません。かつこの研修で認定が取れないと明らかに査定にマイナスの影響があります。そして常に「シックスシグマ」的アプローチで改善することを求められます。以上のように研修は受けっぱなしではなく、徹底的に刷り込むわけです。似たような例で5Sがあります。整理・整頓・清掃・清潔・躾の頭文字を取った職場の改善運動ですがこれで成功している企業は社長自らトイレ掃除を率先してやっているといった企業です。
当然「シックスシグマ」も良いことばかりではなく、思考・アプローチが固定化しすぎるなど副作用もあった気がします。しかし、ある程度優れたツールであれば徹底的にやることで効用は副作用をはるかに上回ります。企業で予算はあるかとは思いますが色々なツールをつまみぐい的にやるよりも、これはと言うものを徹底的に実践したほうが役に立つと思います。研修が役に立たないのは内容が悪いのではなく「徹底的に教わる。その内容を実践すること強制する」ことをしないという点があります。自分も色々なセミナー受けて受けっぱなしな部分あるので、これはと言うものは徹底的にやるというと言う姿勢肝に銘じたいと改めて反省した次第です。