ブログ

HOME > ブログ > 企業経営での留意点 > グローバルビジネス > 業務の集中化からみるRPAの成功の可否

業務の集中化からみるRPAの成功の可否

2018.11.05 カテゴリ: グローバルビジネス, 企業経営での留意点, 経営戦略


 

 

     

    1.業務の集中化とは

 

 大企業などではバックオフィスの業務、例えば経理やITのサポートなどをBPO(アウトソース)や子会社などで集中管理している企業が多いです。私がお邪魔しているお客様でもよく見ますが、日本企業の場合、国内での集中化が多いですがグローバル企業などは中南米やインドなど人件費が安い国に移転しています。

 どの企業でも共通しているのは経営陣的には業務の集中化で従業員は付加価値の高い仕事に集中して生産性向上、業務も集中化によって大きくコストダウンしたとみていることです。これは本当でしょうか?

 

     

2.集中化の功罪

 

 集中化によってある程度コストが下がったことは確かでしょう。ただ、コストが下がったことの検証はおそらくその業務をやっていた部署の前と後の単純比較をしているケースが多いです。また、経営陣としても大きな業務の切り出しは全員の合意によって行われていると思われるので、集中化でかえってコスト高になるといった不都合な真実は見たくないはずです。

 私から見て一方で集中化のデメリットもかなりみられます。一つはサポートされる方にとってはたいてい品質の低下になっていることです。自分の部署のそばにサポート部門があれば優先順位を考えやってくれますが、遠方にある集中センターであるとそのあたり判断ができません。集中化の結果、繁忙期などは大量の処理が必要になりますから遅くなることが多く、みな優先順位を重要とか緊急とか言ってくるのでおそらく集中センターも判断できないでしょう。

 また集中化の結果、大量の処理のため極めて縦割りの組織ができることが多くなり、その結果組織横断型の問題が生じると、部門間の調整のため非常に時間がかかったり、自分の部署には関係ないと極めて無責任な対応になりがちです。このあたり特に海外などに集中化センタ―があるとより加速され、日本人には非常にストレスの高い結果になります。

 要するに業務自体は確かに効率化してコストは安くなったが、その分バックオフィスのサービスレベルは低下して実際の現業部門の生産性の低下が生じている可能性があるわけです。

 これは集中化自体が問題なのではなく、組織の設計やいろいろなプロセスフロ―の落とし込みなど難度の高い作り込みを丹念にこなして初めて成功するということだと思います。

 

     

    3. 集中化とRPA

 

 流れとしてRPA(業務を自動化する技術)が上記で述べたような集中化と並行して、またはとってかわっていく傾向があります。これも気を付けなければいけないのは特に日本企業では横並び志向が強いので同業他社が導入すると自社もやらねばと「RPAの導入が目的」になってしまう可能性があります。その結果起こるのが、集中化で起こったような雑な組織やプロセスの作り込みで、するとおそらくデメリットの方が多くなる可能性があります。

 ありがちなのは自動化できる操作以外のイレギュラーの対応ができない、または非常に手間がかかるようになる、ある操作が自動化されても他の操作とのインタフェースが悪くその部分で労力がやたら発生する・・・などなど。

 ただし、おそらくRPAなども上記の集中化と同じで経営判断でされることが多いので、優秀な方々によりいかにコスト削減をして生産性を向上させたかの美しいプレゼンテーションが例外なく作成されるはずです。例え結果が悪くても、プラス要素だけ取り上げてマイナス要素はほぼ無視して計測されますからすべて大成功の結果になるはずです。一方、苦しむのは現場の一線の方々です。

 別に集中化やRPA自体が悪いわけではありません。でも、それ自体が目的となって雑な作り込みをすると、現場の方がに苦しい思いをさせ、ボディブローのように経営に響いてくるということは認識してほしいということです。

 

 

お問い合わせはこちらまで

TOP