ブログ

HOME > ブログ > 企業経営での留意点 > 経営戦略 > コンビニの24時間営業はなぜ必要か?

コンビニの24時間営業はなぜ必要か?

2019.03.04 カテゴリ: 企業経営での留意点経営戦略

1.コンビニ店長の反乱

  大阪のセブンイレブンのフランチャイズ店(FC店)がもう24時間営業は限界として19時間営業にしてその結果本部と対立しているということがテレビや新聞をにぎわしています。このオーナーは奥様をがんで亡くしてから、ただでさえ人手不足なことに拍車がかかり、もう限界と思ったようです。オーナーの労働時間は1日16時間でほとんどまともに休みも取れない状況だったようです。そこで午前1時~6時の営業を取りやめたわけです。

  セブンイレブンの本社はこれに対し、24時間営業を止めることは契約違反で違約金1700万を払え、スタッフが確保できないのはオーナーの能力不足などと返答し、恫喝的姿勢とかなり批判的にとらえているようです。 

2.セブンイレブン本部は横暴か?

 なんとなくマスコミの構図としては弱者のオーナー、横暴な大企業セブンイレブンといった構図、また働き方改革に逆行するといった論調が多い気がします。こういった論調に対しセブンイレブン本部の回答としては「社会のインフラとしてコンビニが24時間空いていることは必要」「防犯上も24時間空いているコンビニは大切」などあげているようですがこんな綺麗ごとではないことは明らかでしょう。

 また、一方でロイヤルホストやマクドナルドなどでも24時間を止めた店が多いのでセブンイレブンも見習うべきだという論調があります。これは「働き方」という視点からは理解できますが、企業の経営という視点でみると同列に並べるのは必ずしも正しくないと思います。

3.なぜセブンイレブンにとって深夜の売上は大事か?

 この大阪のFC店の場合、住宅街で午前1時から6時まで明けてもたいした売上はないと想像されます。この店で短時間営業を認めるとドミノ倒し的に同じことが起こりセブンイレブン自体の売上に影響が起こるからでしょうか?ただし、もし人手が足りていれば経済合理的には住宅街のコンビニでも店を開けておく経済合理性はあります。なぜならばたとえ店は閉めていても冷蔵・冷凍庫などのランニングコストはかかりますし、固定費は変わりません。バイト代<小売りマージンならばランニングコストと固定費を回収でき、店を開けておく経済合理性はあるわけです。

 例えば、バイト時給1300円 x5=6500円÷20%(マージン率の仮定)=32500円以上の売上げあれば店は開けられるわけです。たんなる経済合理性だけで見れば24時間を止める店はあまり多くないと想像されます。この店のようにバイトは取れない、店長は疲弊という状況では無理ですが。

4.セブンイレブンが24時間営業に固執する本音

 あくまで仮説ですがセブンイレブンの本音は「社会のインフラ」でも「深夜の売上」でもなく「朝の売上」「ロジスティックス」だと想像します。朝のコンビニは売上のピークの一つです。深夜・早朝空けているところの利点としては夜中・早朝に配送できることがあります。朝のチルド(乳製品)やサンドイッチ・弁当などはこのあたりの時間帯に配送されると思われます。ここがマクドナルドやロイヤルホストなど飲食店と違うところで小売店は「欠品リスク」が生じます。早朝・深夜に配送できないと朝一番の売上が欠品によって鈍る可能性があります。欠品リスクの恐ろしいところは単に売上を逃したことによる売上げの減少(利益の減少)という直接な影響だけではありません。加えて「あそこのコンビニは品ぞろえが悪い」といったことで客足が鈍るというボディブロ―のように効いてくるものがあります。これは恐ろしいことです。

 加えて「ロジスティックス」という、ここでは配送スケジュールの効率性の問題が出てきます。コンビニの場合、分単位で配送スケジュールを決めて綿密に配送しています。特に深夜早朝は渋滞もなくもっとも効率的に配送できる時間帯です。ここで営業していない店が出ると配送計画の効率性に大きな支障ができます。

 したがって、セブンイレブンが単に杓子定規に契約を盾に取ってるのではなく、経営的な側面から考えるとFCオーナーに24時間営業を守らせるのは十分理解できます。ただし、その経済合理性を一方的にFCオーナーの犠牲のもとに推し進めるというやり方ではなく、もう少し共存共栄の精神に従って進めてほしいとは思います。

お問い合わせはこちらまで

関連記事
TOP