コインチェック問題と金融庁
2018.03.12 カテゴリ: 社会問題。
金融庁が仮装通貨交換業者に対して8日一斉に行政処分を出しました。コインチェック問題を踏まえて2月16日よりほかの15社に対して立ち入り検査をしていました。顧客から預かった仮想通貨を幹部が私的に流用していたビットステーションなど業務停止命令を受けた2社を含め、7社が行政処分を受けました。仮想通貨交換業者のなかには正規の登録が住んでいないまま営業している「みなし業者」が含まれておりこういった中途半端な対応が問題を引き起こした、そもそも金融庁の利用者保護の姿勢が甘いなどの声は聞こえてきます。
そもそもお役所というのは何か問題が起こるとまず叩かれやすいところです。したがって、新しい商品・サービスが始まるとどちらかというとがんじがらめの規制を作りがちです。なぜならば新しい商品・サービスは存在していないものなので、なくても文句は出ませんが、問題が何か起こると必ず監督官庁は何をやっていたと叩かれます。また、既得権益を持つ団体と監督官庁はそれなりのつながり(極端な例は天下りですが)あるので新しモノに対しては少なくとも後ろ向きの対応に終始します。民泊やスマホで呼べるタクシー(Uber)などの厳しい規制を見ればよくわかります。
その中でこの仮想通貨交換業者に対しては金融庁は新しい産業を育てようという明確な意識をもっています。非常に監督官庁としては珍しいことで、担当の方などはおそらくコインチェックの問題では各方面から責められたのではないかと思われます。ただ、新しいものをリスクをとって育てようというような志のある官僚の方がいらっしゃるというのはまだまだ日本も捨てたものではないと今回思った次第です。
今後日本の成長を支えるためにはこのようなある程度試しでやってみて、問題が起きたらきちっと規制するといったこういったやり方が必要なのではないかと思います。当然人々の生命や健康にかかわるものは別ですがこれも過剰に強調して規制をかける風潮はお役所に強いです。しかし、今後もこのような事後規制というやり方は大事ではないのでしょうか。今回それを強く感じました。