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財務諸表を見てわかるレオパレスの不正の本当の理由

2019.05.13 カテゴリ: 企業の業績分析企業経営での留意点経営戦略

1.レオパレス大幅赤字転落

レオパレスは10日発表した30年度決算短信で687億の当期純損失になったことを発表、あわせせて創業者一族である深山英世社長の辞任も発表しました。決算内容をざっとみるとこの当期純損失になった理由として売上が5052億と前年比5%近く、営業利益も739億と前年比約68%減益もありますが、一番大きいのは721億の特別損失です。その特別損失の内訳をみると今回の建築基準法違反による補修工事で507億、空室補償などで96億の引当金を計上したことなどです。今後、予想される損失を引当金という形で見積もって計上したわけです。  ざっと、今回の問題点を復習すると、レオパレスが建築したアパートの物件で隣室への類焼を防ぐ、天井裏の界壁がなかった案件が大量に発見されたことがあります。これについて第三者委員会では現場が糧にやったのではなく、会社ぐるみ、経営者の指示であることを明らかしました。目先の補修費や空室補償の損失だけでなく、企業イメージの大幅な低下で将来的な見通しもかなり暗い状況です。ただし、レオパレスの財務諸表を見ると意外な状況が見えてきます。

2.大東建託との財務の比較

同業で類似のサブリースモデルである大東建託との比較(29年度決算)で見ていきましょう。するとまずわかるのは売上のうち賃貸の割合がレオパレスでは多いということです。大東建託の場合売上1兆5570億のうち建設工事6276億、賃貸料 8713億でそれぞれの売上に対する割合は40%、56%です。一方レオパレスでは 建設工事765億、賃貸料が4335億でおれぞれ売上に来する割合は14%、82%で大東建託に対して賃貸収入に頼った経営で建築工事の割合は非常に小さいです。  加えて粗利を見てみると大東建託は建設工事32% 賃貸10%に対し、レオパレスは建設工事28%、賃貸18%で、ともに利益率は建設工事の方が高いですが、レオパレスが4%も建設工事の粗利が低いです。  まとめるとレオパレスは賃貸収入に頼った経営で、建設工事の割合は低く収益性も高くないことがわかります。

3.レオパレスの悲しい現実

レオパレスの決算書を見てわかることは、これだけ効率優先など新聞で叩けれているからだから、さぞかし建設工事で儲かっていると思いきや全然そうでもないことです。逆に決算書を見て言えることは比較的粗利が稼げる建設工事で十分儲かっていないから天井裏の界壁を作らないなど目に見えないところで手を抜いて少しでも利益率を高くしようとしたのではないかということです。    ここからはあくまで仮説ですが、同じアパート建設会社でもダイワハウスや積水ハウスなどと比べブランド力が低く、ほぼ同業の大東建託よりも劣り所詮安かろう悪かろうといったイメージしかなく、かっちり利ザヤが取れていなかったことが、そもそもの根本原因なのではないかと思われます。  レオパレスについてコンプライアンスレベルが低い風土などと批判する声が高いです。多分ダイワハウスや積水ハウスの方がコンプライアンスのレベルは高いと思われますが、それを裏付けているのは実はしっかり利ザヤが稼げるブランド力である気がします。営利企業でしっかりとしたコンプライアンスを構築するためにはちっかり利ザヤが稼げるブランド力やビジネスモデルの優位が必要条件(注:十分条件ではない)ではないかとこのケースを見て感じます。

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