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RPAはERPの弱点を補えるか?

2018.08.27 カテゴリ: 企業経営での留意点経営戦略

1.RPA(Robotic Process Automation)が流行っていますが。

 今特に事務部門(バックオフィス)の効率化の議論になるとRPAの話がよく出てきます。特に日本の場合ホワイトカラ―の生産性が諸外国に比べ低いと騒がれているのでこの導入というのは話題になっています。でもよく考えれば15~20年前ERPが導入された際。ERPの導入により劇的に生産性は上がると騒がれていたはずです。私が一つの原因だったと思うのは諸外国でERPが導入された際は割とERPの要求するようなプロセスに個々の会社のプロセスを適合されるような標準化が結構進んだのですが、日本の場合ERPを現状のプロセスに合わせるようにカスタマイズしたり、ERPが対応できないような部分はマニュアルで対応したりしていたような動きが多かったと思いました。日本の現場力の強さがある意味仇になってしまった感じです。

2.ERP(Enterprise Resources Planning)とその欠点

 意味的には企業の資源を適切に配分して効率的に運用することです。実際の現場では企業の基幹システムとしてざまざまな情報を生産(仕入)、販売、支払回収、会計などのプロセスが一元的に運用され、データが一元管理され効率化がなされると考えられています。ある程度の効率化はされたとは思うのですが特に現場感覚としては確かに自動化された部分は多いけれど意外に業務量は減っていないなというのが現実ではないでしょうか?

 私はシステムの専門家ではないのでその観点ではなくコンサルティング業務の中で現場で見た所感を述べてみたいと思います。一つとしては一元管理のためその部署では関係ない膨大な情報が来てしまうことがあります。したがって、実際の処理や分析にあたって結構エクセルの関数やマクロを使っての膨大な加工処理が必要になってしまいます。本来はERPのシステムの方に手をいれて、処理や分析のための書類や資料を自動的に作成するようにすればよいのでしょうが、ERP自体の図体がでかいためそれは非常にコストが高いものになってしまいます。

 また、相手があるのでまだこちら側が発注者の場合は電子的にデータをベンダーさん等に要求することはできます。しかし、こちら側が受注側だと相手側がバリバリ紙の世界だったり、公的機関だと紙、または神エクセル(セルの一つ一つに手で打ち込まないと絶対提出できない電子資料)だったりして、結局データが膨大なためにかえって以前より膨大なマニュアル作業が残ってしまうことさえあります。

3.RPAの導入はERPの欠点を乗り越えられるか?

 ERPで持っているデータを移し替える、様々な経費承認などの検証作業、紙の情報の入力作業などはよくRPAの第一段階と呼ばれますがこの部分は割とRPAの導入により一気に効率化される気はします。紙のモノでもスキャナーで画像化すればRPAで認識できます。わりと事務作業でも派遣社員などに任せている業務と、いわゆる単純なチェックでしかない承認作業などは減るわけです。そういった意味ではとりあえず事務処理でも単純作業とされている部分が主ではないかと思われます。

 今ひとつ私がわかっていないのは、データ分析の処理ににあたってエクセル関数やマクロを使っている部分、本当に解決するのかです。RPAは巨大マクロのようなものなので理論的には解決できそうなのですが、今のところ成功事例を見る限り、このあたり触れたものは見当たらないような気がします。割と企画部門の方々の仕事の時間として実際に考える時間よりも考えるためのデータを用意するのに7~8割の時間をかけている気がするのでこのあたり解決すると劇的に高単価のホワイトカラーの方々の生産性は上がるではないかと考えています。どうなのでしょうか?

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