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コロナ禍の海外出張で感じた日本の残念なIT化

2022.06.07 カテゴリ: 社会問題

1.コロナ禍の海外出張

 4月、6月と2回ほどアジア諸国に仕事で出張していました。滞在国はシンガポール、マレーシア(4月)、インド(5月~6月)です。シンガポールとマレーシアは数回行ったことがあったのですが、インドは実は初めてでした。周りからは、熱波が来ていて気温が50度近いとか、カレーしかなくてご飯は飽きて、しかも絶対おなかを壊すとかいわれていて、かなり気持ちはブル―でした。

 しかし、幸い行った場所はベンガルール(旧バンガロール)で高地、気温も20度台で割と涼しくて過ごしやすかったです。毎日のカレーも味にいろいろと深みと違いがあり私は気に入り、全く飽きませんでした。そして火を通していないものは一切食べなかったので(果物とかも食べず)おなかも壊さず元気に帰国できました。

 さて、この3か国と日本の入国にあたっての共通点、入国時にPCRとワクチン接種記録のアプリへの登録が求められることです(注:情報は出張当時、変わっている可能性はあり)。一方、インドは滞在ビザが必要、マレーシアは到着してからの24時間以内医師による抗体検査が必要(こちらはもう解除されたかもしれません)日本は5月まで空港での全員PCR義務付け、があった部分は異なります。

 日本の空港での全員PCR本当に必要だったのでしょうか?4月に帰国した際はつくづく思いました

2.日本の水際対策

 5月30日のデータを見ると、日本のアプリJP国内でPCR検査陽性が16650人出ています。一方、空港のPCRで陽性が発見されたのは186人、もう毎日陽性者が国内で普通に出ている状況で「水際対策」しても中国のようにゼロコロナを目指すのは無理ですし、あまり意味がなかったでしょう。

 4月に帰国した時はこの全員PCRにあたってしまい入国に4時間かかって疲労困憊でした。とにかくひたすら行列に並ばされて歩いてはチェック歩いてはチェック、そしてPCRが済んだらひたすら結果待ちです。みんな疲れ切ってうんざりしていました。そういった意味では6月1日の全員PCR解除は妥当だとは思いました。

 日本の場合、入国で全員PCRなどをやっておきながら、飲食店やビルの中などにワクチン接種をしていない人なども入り放題なのですから。船の底に大きな穴が空いているのにひしゃくで水をかき出しているようなことです。水際対策をやってコロナ感染防止をやっているというポーズのために多額の税金と、入国者の恨みをかっていただけでしょう。

 例えばある意味コロナ対策が首尾一貫していると思ったのはシンガポールです。外国人も含めてPCR検査とワクチン接種記録は政府アプリに保管されて証明書が発行されます。この証明書がないとほぼすべての建物は入れません。入口の警備員にそれをみせないとビルや飲食店などには入れないわけです。人権侵害といった側面はありますがもし緊急事態であればある程度やむを得ないのではないでしょうか?
 とにかく日本のコロナ対策、基本的には政府や国民皆頑張ったとは思いつつも、どこかちぐはぐだった面があったような気がします。それは致命的な遅れたIT化がその裏にはある気がします

3.残念な日本のコロナアプリ

 日本を含めた4か国はワクチン接種記録とPCR接種記録をアプリに入れておくのは一緒でした。ただ、日本のアプリMySOSの入力は、すべて説明と入力が英語でやらねばならない他の3か国より時間が
はるかにかかりました。入れる情報がやたらと多いし、やはり最悪なのはPCRやワクチン情報のアップロードです。

 そもそもワクチン接種証明は日本人の場合厚労省が発行しているのに、なぜそれを発行元である厚労省のアプリにまた入れなければならないのか意味不明です。加えて、日本のアプリだけPDFファイルはNGでJPEGのみしかダメという信じられない仕組みです。そのPCRの接種証明はメール添付のPDFでたいてい来るのでそれをJPEGに変換してスマホに保存しないといけないわけです。大した手間ではないと言えばそれまでですが結構イラつきます。JPEGだと写真でアップしたいところですが、そのまま写真をとってアップするとメモリーが足りずにエラーになってしまいます。JPEGなのにそれに必要なメモリ―許容度が低いのです。

 いい面はアプリを入れ終わって審査が終わると画面が緑(最終的は青)になって一見してすべての手続きが済んでいることがわかるところだと思います。ただ、これは空港係員が見るのに便利なだけで作成者にはほとんで恩恵はないです。

 あくまでも個人的感想ですが、このアプリIT後進国であることを世界にさらしていると思います。なぜこのように役所が作成するものは使い勝手を意識しないのかよくわからないともいえます

 ただ、空港現場の人たちのシステマティックできびきびした動きは他の国とは大きな違いでこれは救いでした。特にインドのムンバイの入国審査、とにかくだらだらと一人15分くらいかかってなんでこんなに時間がかかるのか意味不明、ほぼ質問もなく入国のアプリや書類を見ているだけのように見えるのにとにかく長かったです

 総括すると日本の役所のIT対応アジアでも最低レベル、その部分を個人の真面目さや優秀さで補っているという感じでしょう。すべての日本のコロナ対策の縮図のような気がしました

 

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