ブログ

HOME > ブログ > 企業経営での留意点 > 企業の業績分析 > コロナで苦しむ外食業界の中で負けない会社とは

コロナで苦しむ外食業界の中で負けない会社とは

2020.04.28 カテゴリ: 企業の業績分析企業経営での留意点

1.コロナで苦しむ外食業界

 コロナウィルスによる緊急事態宣言で非常に業績的に苦しい業態の一つとして外食産業があると思います。少し前に3月の主要外食企業の前年比既存店売上高が発表されました。すこし、それを各企業ごとに見ていきましょう。

 オープンしたての店舗は、基本的にはお客さんでいっぱいになりますが、その特殊なプレミアム要因を取り除いた数字でオープン後13か月以上経過が一般的な既存店売上高です。つまり、ごまかしの効かない、その会社の真の実力の数字なわけです。たいてい1年前の同月売上対比で表しますが100%が生命線といわれ、これを割ると苦戦といえます。そして、悪い予感の通り、ほとんどの企業で大幅前年割れですが、実は中身はまだらで健闘している企業もあり、また前年比ほぼ変わらない・プラスをたたき出している企業もありました。ではもう少し中身を見ていきましょう。

2.大苦戦の企業

 WDI(カプリチョーザ、ハードロックカフェ、トニーローマ)の前年比既存店売上高は55.0%、グローバルダイニング(ラ・ボエム、権八、ZEST)は51.4%でした。2人以上でゆったりとご飯を食べる感じの店が多いのでこの業態が大苦戦なのはよくわかります。

 一方大苦戦ながらもわかれたのが居酒屋です。ワタミ(和民、ミライザカ)59.6%、エーピーカンパニー(塚田農場)58.8%とこの2社は大苦戦でしたが、居酒屋業界で健闘したのは鳥貴族 83.9%です。もう少し中身を見ると客単価はほぼ100%か少し上回っているくらいなので客数の差です。鳥貴族の場合、ちょうど業績不振店の撤退をしたところであったという事が言えるのではないいでしょうか?前期29店、今期16店舗閉鎖し、比較的集客力の強いところだけ残っている事が言えます。もしこの手当てが遅れていたら大変なことになっていたでしょう。また、前2社と比べ鳥貴族は歓送迎会など宴会需要よりも少人数向きな点も寄与しているのではないかと思われます。ただし、4月2日から全店休業としたので大変とは思います。

 

3.苦戦の企業

 ファミレス・喫茶・中華・回転ずしも苦戦はしています。ファミレス大手4社は以下の通りです。すかいらーく76.1%
サイゼリア78.5%、ジョイフル83.9%、ロイヤル70.7%でした。この中で少しジョイフルが高めなのは地域差ではないかと
思われました。ここは大分発祥のチェーンで私は東京では見た記憶がありません(ちなみに都内に4店舗あるようです)。

 地域差が出たという事ではドトールとコメダの違いもそうではないでしょうか。ドトール・日レス79.2%、コメダホールディングス 90.5%でした。ドトールは東京都など都市部の店舗が多いですが、コメダは地方が多いです。一番店舗が多いのは発祥地の愛知240ですが 東京52 大阪・神奈川などと首都圏も多いですが三重・岐阜・奈良など地方も多く、車で向かう郊外型店舗もドトールより多いようです。

 中華と回転ずしも苦戦ですがその中で王将とスシロ―の健闘が光ります。幸楽苑ホールディングス 78%ハイ、ハイディ 日高 82%、王将フードサービス96.6%スシロー、スシローグローバルホールディングス86.3%、カッパ・クリエイト76.9%でした。

 王将とスシローは2社とも客数の減りが少ないです。王将の場合はちょうどQSC(品質・サービス。清潔さ)を再構築して効果が出始めたころといえます。王将調理道場、王将大学などでかなり固定客がふえ、根強いファンが多いといわれています。安い中華ではなく「王将」に行きたいという方がそれなりにまだ通っているのではないでしょうか

 スシローの場合はデリバリー、テイクアウトに力を入れていたからといわれています。ただし、これはコロナ予測というよりも消費税軽減税率が持ち帰りやデリバリーだと8%という事で力を入れていたという事が言えます。

 

4.明暗が分かれたファーストフード

 トリドールホールディングス(丸亀製麺) 86.5%吉野家、吉野家ホールディングス98.2%、ゼンショーホールディングス 92.2%松屋、松屋(牛丼のみ)94.8%でした。苦戦ですがファミレス等に比べると軽微です。丸亀製麺が苦戦しているのは持ち帰りの差、うどんの持ち帰りできるけど牛うどんほどではない事が挙げられるかもしれません

 一方ハンバーガーチェーンはほとんど影響がみられません。日本マクドナルドホールディングス99.9%、モスフードサービス 100.9%です。ドライブスルーがあること、気軽にテイクアウトができることが挙げられるでしょう。しかし、気軽に持ち帰れるということではかなりモスの方が低いです。4月はどうなるのでしょうか?

 4月は全店舗休業のチェーンも多いです。個人店舗ほどではないがかなり苦しいと思われます。ただ、コロナ前からお客の心をどれだけとらえていたか(他では代えられない価値を持っていたか)、筋肉質の体質になっていたかで明暗を分けたところはあります。また、家食・中食などを踏まえたテイクアウト・デリバリー強化を考えるいい機会ではないかとは思われます。

お問い合わせはこちらまで

関連記事
TOP