ダメな会社と老後2000万円必要騒動の意外な共通点
2019.06.17 カテゴリ: 企業経営での留意点、経営戦略、経営理念。
目次
金融庁の老後2000万必要騒動
老後の金融資産として約2000万円が必要とする試算を盛り込んだ金融庁金融審議会の報告書が波紋を呼んでいます。夫が65歳以上、妻が60歳以上の無職世帯が年金に頼って暮らす場合、毎月約5万円の赤字が出るとの試算を掲載しているものです。その後30年間生きると仮定すると、約2000万円が不足するという計算を示しています。ちなみにこれは、人生100年時代を考えた投資について考えようとすることが本論であって、この老後いくら必要かというのは本論ではなく単なる前提でした。しかし野党から「100年安心の年金は嘘だったのか」と追及を受けると報告書を受け取らないと撤回するドタバタぶりです。
そもそも年金だけで老後を過ごせると思っているおめでたい人が今のわれわれ現役世代でいるのかというのが一つの疑問です。年金定期便でいくら年金がもらえるかはだいたい想像がつきますし、65歳になったらいきなり爪に火をともすような生活をするわけではないので年金だけでは足りないことは明確です。
ただ、ここでは年金制度の話とその問題点を話しするのが本論ではないのでこれをダメな企業との対比で見ていきます
ダメ企業の経営で考えてみると
従業員に会社の経営状態などはなさない経営陣は多いです。確かに中にはM&Aなど守秘義務の関係で話せないとかはあります。しかし、そうでなくても経営陣で「従業員をいたずらに不安に陥れたくない」などといって経営状態を明らかにしない方々は少なくありません。しかし、従業員も一般的にはバカではありません。うすうす問題点などは自覚しています。
どんな企業も経営不振になることはあります。ただ、不振から脱却できる企業の共通点は残酷な現実から目をそらせないということにあるかと思います。しっかり残酷な現実を見つめて最悪のケースを考えて手を打っていきます。その際、従業員の協力や積極的な関与は必須でそのためには現実を直視してもらわねばなりません。
ただ、人は見えないことは不安だがいったん見えてしまえば何とか乗り越えられることは多いです。自分の勤務先の経営不振は確かに大変なことですが、いったん状況を把握してしまうとある程度人間開き直ってしまうものです。
経営が悪い会社との共通点
残念ながら経営が悪い会社に限ってつまらない勢力争いが発生します。コンサルタントなどある程度客観的な目から見ると失礼ですが「泥船の中で誰が船長になるか」争っていてもみんな船が沈んでしまえば一緒です。ありがちなのは、会社の経営悪化が起こると戦犯探しと責任追及にやっきになってしまい、解決案を考えることが後回しになってしまうことです。当然明らかな放漫経営等でその方がいることで将来への障害になる場合は別です。
本来年金問題も政治家みんなの問題です。年金問題改革をどんどん先延ばしにしてきたのは与党自民党であることは確かですが、それでは民主党政権のころに年金制度の抜本的な改革案が進められたかというとそんなことはなかったはずです。こういった長期的な問題は泥船の中での争いのように政争の具にするのではなく、残酷な現実から目をそらせないで、与党野党協力して知恵を絞ってほしいです。