Uberに来てほしい
2019.01.07 カテゴリ: 社会問題。
目次
1.新年思ったこと
新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
私事ではありますが、私の父が米寿を機に運転免許を返上することにしました。そろそろ運転が危ないなと思うことが出てきたのでそれ自体は良いことだと思います。しかし、一方今後買い物や通院等どうするかということは問題になります。父親はまだ自転車に乗っていますが母親は足が悪くもう自転車には乗れません。電車の駅までは徒歩で30分程度かかりますし、バス停も7~8分かかるうえ、バス自体乗るのが母の場合は大変そうです。そういったところでタクシーとなるのですが、迎車などは近距離に行くだけだと来てくれませんし、流しも歩いて大通りまで行かないといけませんし、かつ捉まるかわかりません。
日本以外の海外ですとそういった時にアメリカだとUber、東南アジアだとGrabが、中国だと滴滴がありますが日本にはそういったサービスがありません。
2.京丹後市の取り組み
実は京都府の京丹後市の丹後町でUberの仕組みが導入されています。NPO法人「気張る!ふるさと丹後町」が運営しており2年間で走行距離12,241 kmに達したそうです。京丹後市政策企画課によれば丹後町は人口が5275人で65歳以上人口が約40%(2018年4月30日現在)で過疎化で公共交通の維持が非常に難しい地域でした。
一方「第二種運転免許」を持たない人が、運賃を受け取って自家用車に乗せる行為を、いわゆる「白タク」として日本では禁じています。しかし、政府に道路運送法に基づいた「公共交通空白地有償運送制度」の登録をすれば特例的に許されるケースがあります。これはタクシーなどの公共交通機関だけでは十分なサービスが提供できないと政府が認める地域に限り、非営利のNPO法人などに「白タク」の運行を認めるという制度です。これを丹後町は利用したわけです。このNPOの運営は成功しているようで立ち上げ時に補助金を受領した以外は独立採算で事業を継続しているようです。
ただし、あくまで「公共交通機関だけでは十分なサービスが提供できないと政府が認める地域」だけなので丹波町から地域外の病院などには利用できるのですが、帰りは地元のタクシ―会社が存在するので利用できません。当然ニーズは強いのですが地元タクシー業界の反対でできないそうで、既得権益の保護という日本の典型的縮図です。
3.実は都市部でも交通空白地は多い
以前のベットタウン的な町が高齢化していっているという記事をよく見ます。一見公共交通は都市部では発達しているようですが、都合よく病院やスーパ―などに歩いて行けたりバス一本で行けたりするわけでは必ずしもありません。またバス停や駅は適宜ありますが、お年寄りの足を考えるとまだまだ大変です。
一方タクシーですが迎車料金がかかるうえに、近隣や繁忙時の迎車は断られることは多いです。実は一見空白ではないのですが実質空白という地域は都市部では多いです。「公共」を謳うのでしたらこのあたりもタクシー業界は配慮が必要なはずですが、そこは営利事業の顔を前面に出していきます。一方Uberのような新たな参入に関しては「公共の利益」を盾に反対してくるというタクシー業界というのは何とかならないのかと正直思います。
介護タクシーなど数が少なくて困っているという声をよく聞きますが、実はディケアセンターなどの車は朝夕の送迎の時間以外は空いていることが多いです。このあたり配車アプリでうまくニーズとマッチさせれば喜ぶ方々が多くいるのにと残念に思います。配車アプリの企業の方々何とかこの日本の既得権益の壁、是非頑張って打破してほしいです。