ブログ

HOME > ブログ > 企業経営での留意点 > グローバルビジネス > 苦しむ日本代表企業

苦しむ日本代表企業

2018.03.05 カテゴリ: グローバルビジネス企業経営での留意点

 昨日日本経済新聞の日曜版に面白い記事が載っていました。日本を代表する電機メーカーの過去最高の連結営業利益を更新するまでの年数で、日立が23年、ソニーが20年、三菱電機が17年、パナソニックはまだピークの6割程度で低迷、東芝は25年ですがこの時の決算自体が後に問題になっているのでこれは実際にはまだ未了と言えるのかもしれません。

 この記事ではバブル期から四半世紀足踏みを続けてきたとやや批判的な論調ではありますが、電機メーカー5社はこの10年くらい選択と集中を繰り返しある程度復活したといえるのではないかと思います。よく日米企業が比較され米国のナスダックは今世紀に入って3倍以上の時価総額になっているのに対し、東証は3~4割程度上昇したに過ぎないとあるとされていて、その中で電機メーカーの凋落が要因の一つとして挙げられてますが本当でしょうか?

日本の場合20世紀末の株価時価総額はNTTドコモ、トヨタ、NTT、みずほFG、ソニーでしたが、先週末現在でみるとトヨタ、NTTドコモ、NTT、三菱UFJ、ソフトバンクで「どちらが20世紀末の株価時価総額ランキングでしょう」というクイズを出したとき、ソフトバンクがなければどちらかほとんどの人が当てられない状況だと思います。よく比較されるアメリカの場合現在アップル、アマゾン、マイクロソフト、アリババ、Facebookが時価総額上位5社ですが、20世紀末はGE、エクソンモービル、ファイザーシスコシステム、ウォールマートの順で見事完全に入れ替わっています。

この20世紀末時価総額トップだった電機メーカー(と言えるかはやや微妙ですが)GEでさえ米国ランキング64位に転落し、株価の低迷でCEOが交代する事態になっていますから、日本の場合、必ずしも既存の企業の不振が根本的な原因ではない気がします。ソフトバンクが比較的新しい企業ですがそれでも創業は1981年でもう30年以上は経過しています。上位50社の時価総額を見ていっても子会社上場がスタートの会社を除くと新しい会社といってもキーエンス(1974年創業)、ファーストリテイリング(ユニクロ一号店を実質的創業とすると1984年)日本電産(1973年創業)、リクルート(1960年創業)くらいしか見当たりません。こういった寂しい状況が日本の株式市場の低迷の根本的な原因だという気がします。既存の大企業が頑張っていないというよりも新陳代謝が進んでいないことが大きな原因な気がします。

お問い合わせはこちらまで

TOP