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粉飾に手を染めた経営者の本音とは

2021.02.02 カテゴリ: CFO企業経営での留意点会計・税務会計不正経営戦略

1.2月の日経トップリーダー特集

「粉飾に手を染めた経営者の本音」は2月の2月の日経トップリーダーの特集でした。この中で、いくつか驚いたことがあります。一つは経営者の中には良い粉飾と悪い粉飾があると思っている方がいることです。従業員のためといった自分なりの正義のためであればよいが、自分の私心のためであったら悪いといった考えです。

 また、銀行員の中に暗に粉飾の手助けする方もいるようです。当然直接粉飾の指示はしませんが、決算書をみて「もう少し売上増えませんか?」「何か仕訳間違っていませんか」などとほのめかす銀行員もいるらしいです。自分も業績の悪い資金繰りの苦しいベンチャーのCFOだったことはありますが、銀行員からそれらしいことを言われたことはないですね。もしかすると自分が公認会計士だったからかもしれません。この背景にはノルマ達成、自分が担当の時さえもちこたえてくれればいいという先送り主義があるようで、厳しい競争とノルマの中組織全体としてのモラルが低い銀行があるというわけです。

 加えて、顧問税理士が主体的に粉飾をする事もあるようです。顧問先の維持に役立つと考えているようで、税務署は利益が出る方向には特に何も言わないからだという事です。公認会計士は上場会社の粉飾に手を貸せば下手すると刑事罰です。一方税理士は脱税ほう助で刑事罰受けた話は聞きますが、粉飾で処分を受けた話は聞いたことがないです。

 こうした粉飾決算は経営者、銀行員、顧問税理士の三位一体で構成されていというわけです
 

2.粉飾はなぜまずい

 当然粉飾は業績が悪い時、一時しのぎとしておこないます。しかし例えば1億の粉飾をしたとすると翌年は今年の本当の数字+1億を達成して、ようやく今年と一緒です、業績が著しく回復していない限り無理といえます。むしろ業績が悪化した場合は粉飾額が雪だるまのように膨れ上がってしまう結果となります

 加えて人間の心理として架空の数字であってもなぜか少しほっとしてしまう点が挙げられます。危機感が緩み抜本的な改革などをやるエネルギーがそがれてしまうのです。そして、少しほっとする一方、たいていの人は他人をだましているという良心の呵責に心が苛まれる心が重くなり、より自由な発想などが生まれにくいです。

 粉飾は麻薬のようなもので、目先のつらい事柄から目をそらして安易で危険な習慣を身に着けてしまうことなります。結局身の破滅になってしまうわけです。ではどうすればいいのでしょうか?

 

3.どうすればいい

 今回のコロナのような突然想定外の事項が起こってしまうケースを除けば、大抵は実際に決算数値が目立つほど悪くなる前にKPI(経営指標)に異常が出始めます。きちんと日頃からKPI管理をしておけば、早目に経営改善の手を打てます。私は急成長している会社などはむしろちゃんんと自社で重要なKPIを見つけて管理することが大切だと思っておりそういったお手伝いをしています。

 ただし、血液であるお金が切れると大変ですから、本格的に経営が悪くなる前に銀行から借り入れをして資金を厚めにしておく事が大切です。決算に悪い影響が出る前に借りてしまうのです。銀行は本当に業績が悪くなってからはお金を貸してくれないことが多いです。よく銀行は「雨降りに傘を貸さない」と非難されますが、「天気予報(KPI)で雨だとわかっているのに傘を忘れるような経営者には傘を貸さない」のです。KPIで管理していない経営者は天気予報も見ていない経営者なのです。ようするに、雨が降る前に(経営が悪化する前に)傘を借りておくわけです。

 業績が悪化したが資金がまだ足りないという場合は、早目にちゃんと経営改善の事業計画を作成し、銀行と話し合いましょう。自分で事業計画を作成するのが難しい場合は相談に乗ってくっる専門家は世の中に沢山いますし、中小企業の場合は商工会議所など公的機関も時間はかかるかもしれないが相談に乗ってくれます。

 いまさら古いと思われるかもしれないがメインバンクの存在も大切です。ある程度の運転資金が常に必要な業種の中小企業、政策金融公庫は頼りになり金利も安いです。しかし、彼らは融資はしてくれるがきめ細やかな支援は制度上できません。多少金利は高くても地元の地方銀行や信用金庫などの地域金融機関は(かなり担当者にもよるが)メインバンクである場合は業績悪化時も親身に相談に乗ってくれるケースが多いです。日頃から頼りになる金融機関見つけてメインバンクとしてよろしくと支店長や担当者にいておくことは大切です。もし業績が良い際などは付き合い融資などものってあげてもいいと思います。資金はいざといったときの会社の保険、金利は保険料と思えばいいわけです。

 

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